ユーレイルパス VS 個人手配(バラ買い)

移動・交通

ユーレイルパス と 個人手配(バラ買い)ではどちらが得か?

ヨーロッパを周遊するにあたり、皆さんが一番気になるのは 『ユーレイルパスの方が得か?個人手配(バラ買い)の方が得か?』ではないでしょうか?
これは、ルートや日数によっても違ってきます。 また、得とは「金額」と「時間」の2つの考え方ができます
よって、一概にどちらが得とは言えません

「ヨーロッパを周遊するなら絶対ユーレイルパス!」や、逆に「ユーレイルパスなんて絶対使わない!」と、それぞれこだわりを持っている方もいますが、私は、判断するのは旅行する本人だと思っております。。
金額的な損よりも、時間的な得を取る。また逆もしかり。
ユーレイルパスのメリット・デメリット、個人手配(バラ買い)のメリット・デメリットをよく理解した上で、ご自身の旅のスタイル・目的に合わせて選ばれると良いでしょう。

ユーレイルパス

ユーレイルパスのメリット

各パスの最大のメリットは、いちいち切符を買わなくても良いこと。
オンシーズン中は、大都市の駅窓口には長蛇の列が当たり前。しかも、行き先や列車によって窓口が違うこともあり、せっかく並んで自分の番が来たのに、隣の窓口の列に並び直しなんてこともありえます。
その点、各パスがあれば、ギリギリまで観光して、駅に着いたら一番早い列車に飛び乗ることができるし、フラリ途中下車も自由自在。
また、寝台列車も追加料金を払えば、寝台・クシェットを利用できるので、寝てる間に次の目的地まで移動してしまうなど、時間と宿代を浮かせることもできます。座席は予約料のみで利用できるので、男性なら座席で寝ればさらに安くすませることもできる。

ユーレイルパスのデメリット

デメリットは、何と言っても元を取るのが大変なこと。
つまり、移動する区間や旅行期間によっては、自分で現地やwebで手配した方が安くすむケースが多い。
パスを持っていれば全ての列車が無料で乗り放題というわけではなく、別途費用(予約料・追加料金等)もかかります。
また、パスを持っていても予約が必要な列車(高速列車や寝台列車等)が多数あるので、長距離・中距離移動する際に結局は駅窓口に並ぶ必要がでてくる。パスの最大のメリットが生かせないのなら、わざわざ高いお金を払ってパスを購入するよりも、現地でその都度切符を買った方がお得になるのだ。
元を取ろうとして、とにかく移動ばかりしている旅行者をよく見かける。その人の旅のスタイルが、とにかくいろいろな街を観て周ることなら文句をつけるつもりはないが、パスの元を取るためだけに移動しまくるのはあまりオススメしない。

ユーレイルパスは安いのか?

個人手配(バラ買い)

個人手配(バラ買い)のメリット

個人手配(バラ買い)のメリット

個人手配のメリットは、いろいろな交通機関を使って移動する事で自分の興味のある街々を・早く・安く・広範囲に周遊することができる点です。
また、自分で手配するためにろいろ情報を収集&勉強するので、深い知識を得ることができます。
自分で旅をプロデュースした事で深く思い出にも残ります。

個人手配(バラ買い)のデメリット

一番のデメリットは、手配した区間の日程が固定されてしまう点です。手配した区間が多ければ多いほど、自由気ままな旅はできなくなります。
次に、現地の割引は座席数が限定で早い者順だったりするので、早めに手配しなければなりません(※直前割引やカードを持っていれば割引等もあります)。
しかも、超特急列車には乗れない割引もあるので、移動に時間がかかってしまうこともある。
そして、現地の言葉(最低でも英語)ができないと現地の割引が分からない事です。ただし、これに関しては、各国の鉄道割引で日本語で説明しているので大丈夫だとは思います。
全て自分たちで手配するのでぶっちゃけ面倒ですが、手間隙をかける価値は十分にあると私は思います。

ユーレイルパスは安いのか?

鉄道料金の高い「フランス」・「スイス」・「ドイツ」をメインで移動するのであれば、ユーレイルパスの方がお得なこともある。
しかしほとんどの場合、ユーレイルパスよりも各国の早割りや割引カード等を利用した方がお得です。
私がいろいろな周遊コースを独自で計算したところ、格安航空会社各国の鉄道割引を組み合わせた方がお得でした。

【比較例】

1ヶ月間で、『パリ → レンヌ(モンサンミッシェル) → パリ → マドリッド(トレド日帰り) → コルドバ → グラナダ → マラガ → バルセロナ → マルセイユ → ニース → ミラノ → フィレンツェ → ローマ → ナポリ → ローマ』と移動した場合。

①ユーレイルパス連続1ヶ月間(ユース)を購入

68,300円(455.33ユーロ)

②ユーレイルパスフレキシー10日間(ユース)とバス・格安航空を別途手配

60,114円(400.76ユーロ)
50,100円(フレキシー10日間)+66.76ユーロ(バス+格安航空)

③ユーレイルパスセレクト3ヵ国(仏・西・伊)10日間(2等ユース)とバス・格安航空を別途手配

50,814円(338.76ユーロ)
40,800円(セレクト3ヶ国10日間)+66.76ユーロ(バス+格安航空)

④全て個人手配

44,661円(297.74ユーロ)
下記参照↓

方法 料金
パリ → レンヌ TGV2等 25ユーロ
レンヌ → パリ TGV2等 25ユーロ
パリ → マドリッド 格安航空 12.99ユーロ
マドリッド → トレド → マドリッド AVE2等 16.6ユーロ
マドリッド → コルドバ バス 13.5ユーロ
コルドバ → グラナダ バス 11.4ユーロ
グラナダ → マラガ バス 8.87ユーロ
マラガ → バルセロナ 格安航空 20ユーロ
バルセロナ → マルセイユ 列車 41.5ユーロ
マルセイユ → ニース 列車 22.5ユーロ
ニース → ミラノ 列車 15ユーロ
ミラノ → フィレンツェ 列車 9ユーロ
フィレンツェ → ローマ 列車 9ユーロ
ローマ → ナポリ IC2等 24.69ユーロ
ナポリ→ → ローマ IC2等 24.69ユーロ
297.74ユーロ

※ユーレイルパスの料金は、「地球の歩き方 ヨーロッパ ’05~’06」参照
※1ユーロ=150円で計算。