10月19日8時1分配信 産経新聞
【パリ=山口昌子】サルコジ仏政権の「特別年金制度」の改革方針に反対する国鉄などの労組は18日、ストを決行し、通勤の足などが終日、混乱した。フランスの公共交通網の大規模ストは1995年暮れ以来。
国鉄は17日夜からストに突入。新幹線(TGV)は18日、700本のうち46本が運行。バス、地下鉄、トラムウエイを運営するパリ交通営団(RATP)の運航率は15~20%だった。道路はパリ周辺が早朝、200キロを超す渋滞となったが、午後8時には通常の木曜日並みの76キロに戻った。
また、パリ市内では、30分1ユーロ(約165円)で乗れる自由自転車(リブベ)や、1日20ユーロ(約3300円)の貸自転車による通勤も目立った。
1995年のストも「特別年金制度」の改革に反対して行われ、約1カ月間、パリを中心に大都市で公共交通網がまひした結果、当時のジュペ政府は改革を断念した。しかし、サルコジ大統領は「私は改革のために選ばれた」と改革断行を言明している。